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狭猥な情報源による基本的にGAME・Comicオタク向け+αなニュースブログもどき。 21歳未満の人に用はありません。帰って下さい。  <管理人:頭福>
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[観光土産「竹島ものがたり」 特許庁、商標登録を拒否](産經新聞SankeiWEB)
http://www.sankei.co.jp/shakai/wadai/070119/wdi070119007.htm

とりあえず事実関係を整理すると以下のとおり。
(1)「竹島ものがたり」は饅頭の商標(商品名)として実際に使われている。
(2)しかし商標「竹島ものがたり」が昨年特許庁に出願されたという事実は無い。
⇒従って「竹島ものがたり」が特許庁に商標登録拒否されたという事実も当然無い。

ちなみに(1)の方は上記リンクの記事に頼った「事実」なワケだけど、写真まで入ってるし嘘ではなかろうと判断。
んで、(2)の方は「特許電子図書館」(IPDL)を自力で検索した結果判明した紛うこと無き事実。

…それじゃあhttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/35658/tb/←この辺とかで事実確認もせず独り合点する人たち義憤にかられた社会性溢れる方々が大騒ぎしてるのはいったい何なのか?

はい、ここでオチ↓。

(3)実は、特許庁に出願されて拒絶理由通知を受けたのは、

  「竹島物語」

     だった!! (ちなみに商標登録出願番号2006-044381。)


「…何だそんなオチか産経の誤字誤報じゃん」などと言うなかれ。
上記リンク記事の内容を素朴に読んでみると分かるけど「『竹島ものがたり』が特許庁に商標登録拒否された」なんて、実は記事本文中のどこにも書いてない。
記事タイトルにしたって、「竹島ものがたり」が「商標登録を拒否」されたと書いてあるわけじゃないのだ。

とどのつまり、記事を読んで過剰反応のあまり事実を見失って脳内妄想に走った人が沢山いたというだけのことで皆さん随分と想像力豊かですね…………という程に単純な話でもない。実際、記事の写真のキャプションには思いっきり嘘が書いてあったりする(笑)わけだから。
(そうは言っても、憤っちゃった人々は別に写真のキャプションだけ見て騒いだわけじゃなくて、むしろ記事内容を食い入るように読んで怒り爆発させてた人が多い筈だから、慎重さを欠く人が多かったというのは概ね事実に違いないんだけど。)

いや別に漢字と平仮名の違い程度のことで揚げ足をとりたいわけじゃなくて、要は、パテントサロン管理人の方の先日のブログ記事(「神田うの」は商標登録されているのか? (完結編))でも触れられてたりするとおり、「1次情報に触れること」って大事だなぁって言うか、少なくとも「マスコミの報道というのは、たとえ嘘では無くとも容易にミスリーディングやミスアンダスタンディングを誘発する」ということを改めて心しておいた方がいいと実感した次第。

そもそも今回の件は、上の記事を転載した「イザ!」の方の記事の方を見た人の方が多いだろうし、そっちでモロに「混乱招く…『竹島ものがたり』商標登録を拒否」とタイトルに入ってるから、事実を取り違えても無理の無いところなんだけど、せめて産経本体の方の記事を辿って読んでればこんなトンチンカンな状況にはならなかった………可能性が少しぐらい高まったかもしれない気がしなくもないのに。

たまたま今回は、誤解が生じてもさしたる影響の出ない程度のことだったワケだけど、それにしても世間一般ではこの件が「『竹島ものがたり』が特許庁へ出願されて登録拒否された」として通用していくのかと思うと…世の中には自分が知らないだけでこういう誤報が山ほど飛びかっているんだろうなぁ。薄ら寒い話だこと。

…とは言いつつも、1次情報というのは往々にして門外漢には理解しづらかったりするわけで、故にそれを噛み砕いて伝えるために2次・3次情報が出てくるのは必定だ、と自分としては思うので、結局今回の場合誰が悪いかと言えば、本文で(嘘を書かなかったとはいえ)誤解されるような記述をして嘘キャプションまで付けた産経新聞記者(←まず間違いなく特許電子図書館(IPDL)を検索する程度のウラ取りすらしてない怠け者*)が悪いな、やっぱり。
*この項を書いてる時点では「竹島物語」の審査状況(経過情報)はIPDLに未掲載(未反映)なので、関係者の話だけに基づいて記事を書いたとしても多少は情状酌量の余地はある。
無論、致命的な嘘タイトルを付けた「イザ!」もかなり悪質なんだけど、産経新聞記者が書くべきことを書いとけばこんなことにはならなかったワケだし。
「サニタイズ言うな」((c)高木浩光氏)ってことで(←誤用)。


<以下、オマケの文>
ちなみに「義憤にかられた方々」のブログなんていちいち見る気にもならないけど、蓋し「特許庁の言う『公序良俗に反する』(商標法 4条1項7号)の具体的な内容がいったい何なのか」を確認もせずに騒いでることだろうから、参考まで特許庁が公開してる審査基準のリンクを張っておく↓。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/syouhyou_kijun/16_4-1-7.pdf
(この件を扱うブログ・サイトは数多あるだろうけど、きっと誰もこのリンク先を見もせずにご高論を垂れてらっしゃるかと思うと、なんか空しい気分にもなってくる。こーいうときは逆に2ちゃんねるとかの方がリンク張ってあったりして。←めんどくさいから該当スレッドとか探さないけど、あそこは玄人素人入り乱れて清濁正誤問わず鬼のように検索して張りまくるから多分。)

念の為、今回の「竹島物語」に対する特許庁の審査が妥当だというつもりは全く無い。実際、マヌケとしか思えないダメ商標審査官も少なからずいるのが実情だし。
ただ、それ故に今回の件も政治的云々ということではなくて、単に「竹島問題を聞きかじった程度の審査官が、深く考えずに『後々問題になるとイヤだから、取り敢えず拒絶理由通知出してみて、意見書で反論されたら考えよう』といった感じの頭の悪い判断をした」という可能性が極めて高い。
だから、「竹島物語」は結果的にはちゃんと登録される見込みが高いので心配する必要も騒ぐ必要も無い。泰山鳴動させても饅頭一個てなところ。(←饅頭を軽んじてるわけでは無論ない。)

つーかむしろ、あんなに情報の乏しい記事だけ読んで「特許庁は敵対国家の手先か!! 売国奴め!!」とか本気で怒ってる人が結構いるってことの方を心配すべきでは。
捏造納豆ダイエット番組でマスコミに踊らされたばっかりなんだし、しかも今回のニュースはその捏造番組のことを(同じフジサンケイグループだからって)紙面の片隅でしか報じなかったらしい産経新聞が出所なんだから、今この時ぐらいはマスコミの報道を先ずは懐疑的に読むってことをしてみてもよかったんじゃなかろうか? (うさだblogほどに深読みしろとまでは言わないまでも。)
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このネタの事後顛末」はパスしとく。

結論だけ書いとくと「続報読んで分かった。やっぱりまともに記事書く気のない駄目サイト。二度と知的財産権関係の記事載せんなボケ」。

見れば高木浩光氏からも別件で駄目出しされてたりして、要は程度の低い2流サイトの1つに過ぎないようなのでマトモに相手するのも阿呆くさくなった次第。
某イベントに備えて1ヶ月ほど更新を休む予定。
このネタの事後顛末はそのときに。
[三洋、「空気で洗う」機能を搭載したトップオープンドラム式洗濯乾燥機](やじうまPC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0614/yajiuma.htm

個人的には家電好きでもなんでもないのだが、やじうまPC Watchに載ったからにはPC関連ネタということで。

さて、記憶のいい洗濯機好きの人(?)なら上の記事のリンク先のニュースリリースを見て「あれ? "TOP OPEN DRUM"のロゴが変わった?」と気づいたかもしれない。
実はそのとおりで、今のロゴと以前のロゴは違う。
今のロゴと以前のロゴはそれぞれ↓こんなだった。(いずれも三洋電機ウェブサイト内の画像)

今のロゴ
今のロゴ

以前のロゴ(1)
以前のロゴ(1)

以前のロゴ(2)
以前のロゴ(2)

以前のロゴはどうなったのだろうか?


数年前、「トップオープンドラム」に関して、三洋電機は次の3つの商標を出願していた。
a. カタカナの「トップオープンドラム」(商願2002-031393)
b. 上掲のロゴ(1)から日本語を除いたロゴ(商願2002-031391)
c. 上掲のロゴ(2) (商願2003-075321)
しかし、日本特許庁での最初の審査結果は、なんと3件とも「登録不可(拒絶査定)」だったのだ。

順を追って説明すると、まず2002年4月に出願したのがaとbで、特許庁の審査結果は「他社がとっくに『トップオープン』を登録済(登録第1930736号:現在の権利者は日立ホーム・アンド・ライフ・ソリューション)だからaもbも登録不可ナリ」だった。
当然これに不満な三洋電機は、特許庁へ不服審判を請求した。その結果、bのロゴの方は登録できたが、aのカタカナについては特許庁の判断は覆らなかった。
要は、「"ドラム"ってのは単にドラム式洗濯機のことだから、商品ネーミング的な部分は『トップオープン』だけだろ。そしたら日立H&Lの登録商標とおんなじじゃん。そんな商標は登録できねーよ」という判断が特許庁によって下ったわけだ。(←ある意味、「三洋が『トップオープンドラム』って商標を使ったら商標権侵害だ」という宣告みたいなもの)
ちなみにb のロゴの方は「『TOP OPEN DRUM』ってのは"上部から洗濯物を出し入れするドラム式"のことだから皆が自由に使っていい言葉だ。んで、このb商標は変な図形とかも付いてるから、この図案そのものだけについては独占してもいいよ(=登録OK)」という結果となった。

そして次に、aとbから遅れること一年、2003年9月に出願したcのロゴの審査結果も芳しくはなかった。特許庁は「確かに『TOP OPEN DRUM』ってのは誰もが使用OKな言葉だけど、敢えて商標登録しようってんなら話は別で、やっぱり日立H&Lの登録商標『トップオープン』との類似関係を見過ごすわけにはいかんね」といった具合で登録を認めなかったのだ。
慌てた三洋はcについても不服審判を請求。なんとか頑張った結果、「誰もが使用していい『TOP OPEN DRUM』て言葉を(ちょっと特殊な書体だけど)普通に書いたって感じだから、登録(独占)は認めないけど、日立H&Lの『トップオープン』との類似関係は不問にする」という審判結果に持ち込むことができた。

結局、上記a〜cについての審判結果が出た時は既に2005年になっていた。これらの結果を受けて三洋電機は焦った、ハズだ。
あわよくば「トップオープンドラム」や「TOP OPEN DRUM」関連の商標を登録して独り占めしようとたくらんだところが、「TOP OPEN DRUM」については独占不可、カタカナの「トップオープンドラム」については逆に「お前さんのやってることは商標権侵害だよ」と特許庁にダメ押しされたも同然だったからだ。

こうなると三洋電機としては、図形付きで汎用性の低いbのロゴや、他社にマネされても文句言えないcのロゴへの興味が薄れるのは当然で、今のロゴに切替えとなったのも不思議ではない。新たなロゴで出直そう、というのが今のロゴへの変更動機といったところだろうか。
一方、カタカナの「トップオープンドラム」については、商品ネーミング的には使いづらい状況となった。だからだろうか、今回のニュースリリースでもタイトル部分では「トップオープンドラム式」と"式"の文字が入っている。これは、仮に日立H&Lからクレーム等を受けたとしても「単なる形式表示だから」と言い逃れできるようにするための、ある意味ゴマカシ的表記だ。

しかし、ロゴについての判断はともかく、カタカナの「トップオープンドラム」についての三洋電機の対応からは、事なかれ主義と自信の無さが垣間見える。なぜなら、フツーに考えれば「『TOP OPEN DRUM』が使用OKなら『トップオープンドラム』だって大丈夫だ」と判断できるところを、三洋電機は前述のように逃げをうっている状態だからだ。

三洋電機といえば、個人的には好みの携帯電話機を多く出してたりする良さげなメーカーという印象だが、世間的には「近年のリストラ絡みで多数の中間管理職を人格否定セミナーに送り込んだ」とか「ボーナス時に自社製品を従業員に十万円単位で半強制的に購入させてた」とかの良くない噂も耳にする。
そういう事情を考慮すると、三洋電機社内の実情は知る由もないものの、主力商品として残した洗濯機を訴求するための重要な商標でこんな有り様というあたり、トップの唱える経営再建も空しく従業員の間では萎縮と保身が進んでいる様子が透けて見える感じがするなぁ、という穿ちまくりな見方もできるのだった。
[PS3コントローラはセレクトボタン廃止、SE"R"ECTボタン新設](Engadget Japanese)
http://japanese.engadget.com/2006/06/14/ps3-spelling-mistake/

上の記事を読んで閃いたのが、実はソニー(SCE)は敢えてSE"R"ECTボタンを採用して「周辺機器のサードパーティ共よ、PS3対応コントローラを謳いたかったらボタンの所にはSERECTと表記しろ。おっと『SERECT』は商標出願済だから商標の使用料も支払えよhahaha〜」という汚い罠素敵なビジネスモデルでもたくらんでるのではないか、ということだった……のだが、今日現在特許電子図書館を見た限りでは「SERECT」なるアンポンタンな商標の出願・登録はさすがに1件も無かったのだった。(汚いのもアンポンタンなのもお前だというツッコミは却下。)


…えーそれから、↑を読んで「よし、オレが『SERECT』を出願してソニーから使用料ふんだくってやるぜ」と意気込んだ御仁(いねーよ)には残念ながら、既にキヤノンとヤマハが家庭用ゲーム分野やらコンピュータ分野やらで「SELECT」とか「セレクト」とかその二段並記とかの商標権(登録第4015355とか第4269567号とか第4361467号とか)を取り合ってるので、今更おんなじ読み方の「SERECT」を出願しても出願料21000円をドブに捨てるだけだから早まらぬよう。

ちなみに「SELECT」とかこーいう類いの一般的な言葉を商標登録するのは「キヤノンにはよくあること」なので驚いてはいけない。
【出願番号】商願2006−31311
【出願日】平成18年(2006)4月6日
【商標(検索用)】美少女ゲームオンライン
【付加情報】標準文字
【出願人】
 【氏名又は名称】アーカムプロダクツ株式会社
 【住所又は居所】北海道札幌市東区北15条東12丁目2−10
【代理人】
 【氏名又は名称】佐川 慎悟
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
9 ダウンロード可能なゲームプログラム,ダウンロード可能なゲームプログラムを記憶させた記録媒体,ダウンロード可能な静止画像・動画像・音声付き静止画像・音声付き動画像・映像・音声・着信音データ・文字データ,ダウンロード可能な静止画像・動画像・音声付き静止画像・音声付き動画像・映像・音声・着信音データ・文字データを記憶させた記録媒体,ゲームに関する電子出版物,業務用テレビゲーム機,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM <以下略>
41 通信ネットワークを利用したゲームの提供及びそれらに関する情報の提供,通信ネットワークを利用した静止画像・動画像・音声付き静止画像・音声付き動画像・映像・音声・着信音データ・文字データの提供及びそれらに関する情報の提供 <以下略>
(以上、「特許電子図書館」(IPDL)より)

たまたま見つけたので自分メモ。IPDLデータにリンク貼っても意味ない(すぐタイムアウトでリンク切れる)ので引き写しておいた。
ある意味このブログ向けにあつらえたよーなネタ。これが登録されても別に大事にはならないような気もするけど。


↓本文とは何ら関係のない応援バナー
『姫さま凛々しく!』応援中!
[新タウン愛称「同志社山手」 京田辺市南部、まちづくりに大学ブランド](京都新聞 電子版)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006052700057&genre=G1&area=K20

なぜかまたも京都新聞から商標の記事。
タイトルではアオるような書き方をしたけれど、要は記事を読んでて「え? 同志社大学って住宅開発や分譲サービスの分野でも『同志社』って商標登録してるの?」と疑問に思ったという次第で、確認してみたら…やっぱりそんな分野には登録してなかった(笑)。
「同志社」という登録商標があるのは「印刷物」(登録第4117858号)と「幼稚園・中学校・高等学校における教育,大学・大学院における教授」(登録第3002038号)と「理工学の基礎及びその応用に関する研究」(第3059155号)といった分野だけ。(権利者はどれも学校法人同志社)

登録商標が無いのに商標の使用許諾って一体?……と不思議な気はするものの、実際のところは登録商標云々よりも仁義的な意味合いの強い約束で、「『同志社』という名前を使っても抗議したりしません仲良くやりましょう」という趣旨のものだと思われる。(明確な法的権原があるわけじゃないから「無料で許可」なのも当たり前と言えば当たり前。)

そこで予想される今後の展開。
どこぞのチンピラ企業が、商標が登録されてないのをいいことに「同志社」の名前を使って住宅分譲とかをやりまくり、それに対して同志社大学が「『同志社』は著名だから、たとえ登録してなくても、他人が使うことはできんのじゃ!」と主張して泥沼の係争へ突入…とか。(住宅分譲はともかく不動産絡みの金融業とかですごくありそう。)
[サムコ、SUMCOを提訴・商号の使用差し止め求め](NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20060525AT1D2505Z25052006.html
[商標使用でSUMCOを提訴 サムコ、損害賠償求め](京都新聞 電子版)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006052500238&genre=D1&area=K10
(パテントサロン経由)

記事中に「SUMCOは2005年8月に三菱住友シリコンから社名を変更。」なんてあるのを見ると、つい「また三菱か! 他人の商標を無断で使って登録出願までするとは傲慢な財閥体質丸出しだな!」と叩きたくなるが……ところがこの件に限ってはさにあらず。
むしろ、SUMCO社の登場に驚いた(?)サムコ社が無茶な理由で名称変更を迫っている、という風に見た方が適切かもしれない。

まず、実際の権利関係を整理してみると概ね以下のとおり。
・サムコ社は半導体製造機器の分野などで「サムコ\samco」*1という商標についての商標権を持っている。(1997年に登録)
・サムコ社は半導体ウェハ(とその類似商品分野)に関しては「サムコ\samco」という商標(とそのバリエーション的商標)について何らの商標権を持っていない。
・SUMCO社は半導体ウェハに関して「SUMCO」という商標についての商標権を持っている。(2005年に登録)
・SUMCO社は半導体ウェハに関して「サムコ」「SUMCO\サムコ」という商標を出願中。
・半導体製造機器と半導体ウェハは(特許庁の一般的判断では)商品分野的に類似しない、ので同一の登録商標が併存できる。

えーつまり、半導体ウェハ分野に関しては誰も「サムコ」のたぐいの商標権を持ってないんだから、フツーに考えればSUMCO社が使おうが登録しようがサムコ社に文句言われる筋合いはない、ということ。
つまり、記事だけ読むといかにもSUMCO側が悪いようなイメージが漂うけど、実態はサムコ側がイチャモンをつけたに等しい。

察するに、サムコが「投資家や商品展示会などで混乱が多数発生している」と主張しているように、展示会とかで取引相手から「あれ? SUMCOってサムコさんと関係ないの?」「へぇ、あっちはスムコなんだ。紛らわしいねハハハ…」みたいなことを度々言われて社長がキレたんじゃなかろうかと。
で、サムコからSUMCOへ「サムコの名前使うんじゃねーよボケ」と申し入れたもんだから売り言葉に買い言葉的に「別に商標権侵害してないのにうるせーな。こうなりゃ『サムコ』とかも商標登録してやるぜザマーミロ!」と。んで結果的に「訴えてやる!!」。

結論的には(上に挙げた商標「SUMCO」の登録に関する審判事件(不服2001-5444)の内容*2から考えると)、サムコ側が敗訴するのは決まったようなものなので、サムコ社にはお気の毒というかご愁傷様というかお悔やみ申し上げますというかせめて和解に持ち込めるといいですねというかせいぜい足掻いて楽しませて下さい。

*1:「\」は例によって二段書きを表す記号
*2:審決文1,2,3頁目。要は、「SUMCO」を出願したら既に「集積回路」に関して類似の登録商標「サームコ」とかがあった(特許庁のフツーの判断だと「半導体ウェハ」と「集積回路」は類似商品分野=後出しの「SUMCO」は登録できない)ので、裁判まで起こして「『半導体ウェハ』と『集積回路』は類似商品じゃない!!」と、判断をひっくり返させたという件。
この審決文中では、商品の類似関係について次のように述べている。「半導体ウエハは、一般需要者向けの商品ではなく、その需要者はデバイスメーカー等であり、また、(中略)その取引当事者は、こうしたクリーン・ルーム設備を保有する者だけに限られる(後略)。このような、諸事情を総合考慮すれば、商品『半導体ウエハ』と『集積回路等の電子応用機械器具』とについて、同一又は類似の商標が使用されたときに、半導体ウエハの需要者であるデバイスメーカー等において、それらの商品が同一営業主の製造又は販売に係る商品であると誤認混同されるおそれはない」
⇒この判断が今回の件に当てはまるとは限らないが、今回の両社商品は元から「非」類似扱いされるのがフツーなのだから、上掲文中の「諸事情」を考慮すれば、サムコ側の主張が通ると考えるべき理由が何も無い。
この前のネタ参照。両方とも修正されたようで。


ネタにしたお詫びに(?)応援バナー↓なるものを貼ってみたりして。
『姫さま凛々しく!』応援中!『姫さま凛々しく!』応援中!
『姫さま凛々しく!』応援中!『姫さま凛々しく!』応援中!
すごく…浮いてます…。
[タカラトミー,5月27日より「ZOIDS ONLINE WARS」クローズドβテスト開始](4Gamer.net)
http://www.4gamer.net/news/history/2006.05/20060525214407detail.html
[タカラトミー、「ゾイドオンラインウォーズ」プレスカンファレンスを開催](GAME Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20060525/zoids.htm
[「ゾイドユニバース」、「ゾイドオンラインウォーズ」プレビュー](GAME Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20060525/zow.htm

白い獅子型ゾイドに乗って「踏み込みと、間合いと、気合いだぁぁーっ」とか赤いトゲトゲ恐竜型ゾイドに乗って「そんなところにいたのかルージくんっっ!!」とかできるわけではない模様。アーケード版の操作に全くついていけなかった人間がアクション物を求めるのは身の程知らずと分かりつつも少し残念。

それにしてもプレビュー記事まであるのに動作環境に言及が無いあたりに不安を覚える。GAMEWatchの発表記事に「Webブラウザベースのゲームポータル」とあり、プレビュー記事の方に「『ゾイドオンラインウォーズ』のクライアントを購入(ダウンロード販売の予定)」という記載もあるものの、結局よく分からない。
ゲームポータルのコンテンツの一環ということで(SEEDフレンズとかを連想するのは甚だしく間違ってるとしても)凄くヌルいグダグダな運営になりそうな予感がするのは、うさだblogとかでオンラインゲーム運営にまつわるロクでもない話(例1 2 3 4 5)ばかり目にしてるせいか。

個人的にはC21が当初の予定通りMac対応しててさえくれれば今回のニュースに目を留めることもなかったのに…というところ。
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